鹿はポッキーがお好き? ~万城目学『鹿男あをによし』~
今朝ふと目に止まったニュース。
どこかで聞いたような・・・あぁ、アレだ!
というわけで今日は万城目学氏の「鹿男あをによし」のご紹介w
所属していた大学の研究室で一悶着あり、奈良の女子高へ赴任することになった主人公。
ある日突然、鹿に話しかけられ本人も望まぬ「選ばれし者」として日本を救うために使命を科せられるハメに。
正確に教えてもらえない情報を頼りに奔走するも期日は近づき、なぜか顔はどんどん鹿になっていく。
日本の危機は救えるのか、鹿化は止められるのか、そもそも鹿ってなんで!?
といった風に、俗に言われる万城目ワールド全開なストーリー。
以前ご紹介した森見登美彦氏の作品もそうですが、いかにもな和物ファンタジーという気がします。
特に万城目氏の文章はテンポが心地よく、一気に読んでしまいますね。
喋る鹿、いきなり宣言される日本の危機、鹿と鼠と狐の三角関係、日に日に鹿になっていく自分の顔、とあらゆることが想定外でかつ矢継早に投入されてきますが、無理なく読めてしまうのは文の巧みさなんでしょう。
一方で能天気でかりんとう好きな同僚の描写ややる気がなさそうな鹿の振る舞いの描写などはかりんとうのほのかな甘さや芝の匂いも感じられるような穏やかな文章も垣間見れます。
あまり気にかけたことがないニュースを見たついでに思い出した一作でした。
よろしければ是非一度読んでみてください。
※鹿にポッキーはあげないでくださいね笑